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高尿酸血症の怖い合併症

尿酸値を下げるために最も大切なこと

食べ過ぎを防ぐ

尿酸値が高くなる原因の1つは食品に含まれるプリン体の取り過ぎです。プリン体を多く含む動物の内臓や魚の干物は食べ過ぎてはいけません。プリン体は体内でも作られ,肝臓で尿酸に変わり尿として排泄されます。肥満になると尿酸を作りやすく排泄しにくい状態になりますので,食べ過ぎをやめて適正な体重に戻すことが,プリン体の摂取制限よりも実は大切だと最近では考えられています。
尿量が増えれば尿と一緒に多くの尿酸を排泄できますので,水は1日2リットル以上飲むことが推奨されます。尿をアルカリ性に近づける海藻や野菜は尿路結石の予防に有効です。

※他の疾患により既に生活指導を受けている方は医師にご相談ください。

食べ過ぎを防ぐ

お酒は適量に

お酒は適量に

「高尿酸血症でもプリン体の多いビール以外ならOK」などと考えていませんか?アルコール自体に尿酸値を上げる働きがありますので,それは間違いです。ウイスキーや焼酎などの蒸留酒はプリン体をほとんど含みませんが,アルコール度数が高いですし,何より太りやすい飲み物ですので適量に留めるべきです。

お酒をやめられない場合は1日の量をこれくらいまでにしましょう。ただしこれら全部ではなくいずれか1種類にしてください。

無酸素運動ではなく有酸素運動を

意外かもしれませんが,ベンチプレスなどの激しい運動(無酸素運動)は肥満解消法として勧められません。新陳代謝が活発となり,尿酸値が急上昇するからです。ウオーキングなどの軽い運動(有酸素運動)を定期的に行いましょう。ストレスは尿酸値を上げます。その解消にも運動は有効です。

高尿酸血症を放っておくと,足に激しい痛みが起きるだけでなく,生活習慣病が悪化し脳卒中や心臓病など命に関わる怖い合併症につながることもあります。今回紹介した生活習慣改善法を継続して適正な尿酸値を維持し,健康にお過ごしください。

公益財団法人痛風財団 理事長
(株)スタージェン 会長
鎌谷 直之