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視力検査の C の意味は?

 視力検査で使われている、アルファベットのCのようなマーク。だれでも一度は見たことがあるはず。このマーク、実はランドルト環といい、世界共通の視力検査用の記号なのです(ランドルトは、19世紀後半から20世紀初頭のフランスの眼科医)。

 視力は、確認できる最小視角の逆数で表され、1分の視角を確認できる能力を、視力1.0といいます(1分は角度を表す単位で、1度の60分の1の角度)。例えば、確認できる最小視角が2分なら視力は1÷2で0.5、10分なら1÷10で0.1ということです。

 ふつう視力検査は、視力表から5メートル離れて行います。視力表で視力1.0に該当するランドルト環は、高さ7.5ミリ、文字の太さ1.5ミリ、文字の切れ目部分の幅1.5ミリです。この「文字の切れ目部分の幅1.5ミリ」がちょうど、5メートル離れたところからの視角1分に相当します。5メートル離れたところから、この文字の切れ目を確認できれば(ランドルト環の向きがわかれば)、1.0の視力があることになります。ちなみに、視力0.5用のランドルト環の大きさは1.0用の2倍、0.2用は5倍、視力表の一番上にある0.1用は1.0用の10倍の大きさです。

 視力検査で一番上のランドルト環の向きがわからないときは、「その線まで前に出て」といわれて測定することになります。もし4メートルまで近寄って0.1用のランドルト環の向きがわかれば視力は0.08、3メートルでわかれば0.06ということです。実際の視力検査では、ランドルト環以外に、日本ではひらがなやカタカナも使われていますし、外国ではアルファベットのEなどが使われています。

 なお、視力が0.01未満の場合は、指の本数を確認することができる距離で表す指数弁(例えば目から30センチの位置の指の数がわかる視力を「30cm/指数弁」)、目の前で手のひらを動かしてその動きがわかれば手動弁、明暗を区別できれば光覚弁といい、明暗がわからない状態は医学的にもうとされます。